ハマヤマが誇る漫画読み放題漫画棚を
もっと活用していただくべく、
普段漫画を読まれない方向けに
各雑誌・単行本をご紹介しています。
会話が途切れたときにはあらがわず、
ぜひ漫画棚をご活用ください。
雑誌
少年ジャンプ | 少年マガジン | 少年サンデー |
ヤングジャンプ | ヤングマガジン | アフタヌーン |
モーニング | イブニング | ビッグコミック オリジナル |
スピリッツ |
単行本
うしおととら | MASTERキートン | プラネテス |
僕といっしょ | グリーンヒル | 秋津 |
ピンポン | アドルフに告ぐ |
少年ジャンプ

とっつきやすさ:☆☆☆☆☆
3大少年誌の中で最もオーソドックスな漫画が多い。
ワンピースをはじめ長期連載作品が多いものの、設定・展開が王道なので、2,3週読めばおおよその流れが掴め、読み続けやすい。
アンケート結果で不人気漫画からガンガン切られて行く通称ジャンプシステムにより、面白くない漫画は基本的に無い。
少年マガジン

とっつきやすさ:☆☆☆☆
ヤンキー向け少年誌だったのは昔の話。
現在のマガジンの柱はラブそしてデスゲームうすくスポーツ。
ジャンプ・サンデーに比べてファンタジー要素が薄いため、ジャンプとはまた違った方面から入りやすい。
が、舞台を現実に寄せている分、それぞれの漫画で合う・合わないが大きい。
が、「合わないかな…」と思っても読み続けるうちにクセになる作品多数。
少年サンデー

とっつきやすさ:☆☆☆
どうかしてる設定の漫画が多く、ジャンプ・マガジンと比べると明らかに異質な少年誌。
ファンシーな絵柄が多いので対象年齢低めかと思いきや、上記の「どうかしてる設定」がおよそキッズ向けではないので、どちらかといえばゆがんだ大人もしくは大きなお友達向け。
そのノリに慣れてくるとじんわり面白い漫画が多い。
ヤングジャンプ

とっつきやすさ:☆☆☆☆
成長した少年ジャンプキッズの受け皿として王道作品を掲載しつつも、王道な展開・友情・努力を引き、代わりに斜め上な設定・作者の変態性・薄いエロスを足した作品を増やして青年層に対応させた青年誌。
足されたもの(変態性とエロス)の影響から、「ハマる人はハマる」という漫画も多く、王道とそれらとのギャップが顕著。
ヤングマガジン

とっつきやすさ:☆☆☆
さっと読んだくらいではさっぱり意味がわからない、独特な設定を持った作品が多い。
登場人物の置かれる環境が物語冒頭からストレスフル、かつ展開もストレスフルなため、何も考えずに読んでスカッとしたい方には不向き。
読み続けるうちに独特さに引き込まれ、「毎週すごく楽しみかと言われればそこまでではないけれど、展開が気になるから読んではしまう」というじっとりと長い付き合い向き。
アフタヌーン

とっつきやすさ:☆
派手さはないものの、登場人物ひとりひとりにまで至る丁寧な設定が魅力の作品が多い。
「あいつなんで出てきた」的なキャラクターがほぼおらず、物語もきちんと丁寧に展開して行く。
が、その丁寧さに加え月一刊行ということもあり、特に単話完結ではない作品は数ヶ月読み続けても意味がわからない固有名詞がどんどん出てくるため、好きそうな作品についてはWikipediaなどでの「これまでの流れ」の確認が求められる。
読み続けられればものすごく面白い一方、とっつきやすさでいえば漫画棚中最低。
モーニング

とっつきやすさ:☆☆☆☆☆
青年誌オブ青年誌。
王道を行く青年誌。
歴史モノはあってもノーファンタジー。
「少年誌は壁にぶつかったら限界を超えて乗り越える」
「青年誌は壁にぶつかったら限界の中でどうにかして通過する」
という、少年誌と青年誌の違いがはっきりわかる作品群。
主人公がそれぞれの問題にぶつかる→様々な工夫をこらす→どうにか解決、という、(問題の特殊さを除けば)現実に寄り添った展開がスカッとする。
イブニング

とっつきやすさ:☆☆
「扱う題材がマニアックすぎる」「展開が暗い」「絵が一般ウケしない」「テンポが一般ウケしない」のどれかもしくは複数、あるいは全てを網羅しているため、ほかの青年誌では掲載されなかったものの、ごく限られた人にはがっつり刺さる作品が集められた青年誌。
どの作品も上記4点のどれかに該当するため、全作品まるでピンとこなくて普通。
2016年10月〜2017年9月までの発行部数が98,500部なので、1刊あたりの発行部数は4,104部。
全人類中4.104人しか読んでいない、あなたを特別にする1冊。
ビッグコミックオリジナル

とっつきやすさ:☆☆☆☆☆
「前知識ゼロで読んでも楽しめる作品」の割合が漫画棚10誌中最高。
「少年誌は壁にぶつかったら限界を超えて乗り越える漫画」
「青年誌は壁にぶつかったら限界の中でどうにかして通過する漫画」
の流れでいえば、対象年齢最高齢のビッグコミックオリジナルは
「壁にぶつかっても状況に任せて特に何もしない漫画」。
さらっと読めて安定して面白い、大人のヒマつぶし漫画雑誌。
スピリッツ

とっつきやすさ:☆☆☆
「あの漫画、内容的にはあの雑誌だと思ったけど違ってた」
というとき、その漫画はスピリッツ連載です。
マガジンにあっておかしくないスポーツ漫画から、ヤンジャンっぽいヒーローモノ、ビッグコミックオリジナルっぽい単話モノまで、雑誌としての統一感はあまりないものの守備範囲が非常に広い。
1作ごとに作風がガラッと変わるので、合う合わない以前に受け付けられる受け付けられないというカベがあるが、それは読み飛ばせば解決。
うしおととおら

全33巻
自宅の蔵の地下で、古い槍に貼り付けにされた妖怪を見つけた父子家庭の中2が、槍と貼り付けられていた妖怪と共にかなり厳しめな妖怪を退治せんとする物語。
個々の章・物語全体共に起承転結が非常にしっかりしており、とりわけ物語の節目にあたる13巻・18巻・33巻のカタルシスがすごい。
「絵が受け付けない」「擬音が受け付けない」という二つの受け付けないポイント、そして何より掲載誌がサンデーだったことから「漫画好きには絶賛されるが世間一般の知名度がいまいち」という立ち位置に甘んじる普及の名作。
絵は巻が進むごとに劇的に上手くなっていき、擬音はだんだん慣れます。
MASTERキートン

全18巻+α
オックスフォード大学で考古学を選考したのち英国軍の特殊部隊に所属していた超エリートなのにさえない風のおじさんが、自分の考古学説を証明する資金を集めるために始めた保険調査の仕事でトラブルに巻き込まれ続ける物語。
大枠で言えば上記のような物語ながら、各章ごとの繋がりがあまりなく、作品オリジナル用語も無いので大人がさらっと気軽に読みやすいという、ビッグコミックオリジナル掲載作品ならではの配慮が光る。
「砂漠ではスーツの方が涼しい」「トラバントはダンボール製」「接着剤に砂利を混ぜるとやばい」といったなんだかわからない豆知識から、旧共産圏各国の成り立ちやヨーロッパ地方の歴史まで、読むだけで雑学がどんどん増える。
プラネテス

全4巻
宇宙に漂うゴミを回収する業者の青年が、木星を目指すか悩むSF作品。
青年の風貌が明るく熱血風なため、明るい物語が続く予感を得るものの、基本的にはなんかずっとクヨクヨしているため予感とのギャップも含めて中盤がきつい。
しかしその中盤を乗り越えての最終盤、青年の演説で得られるカタルシスは数多ある漫画作品の中でも最高クラス。
中盤がきついとはいえ全4巻なので、軽い気持ちでぜひ。
僕といっしょ

全4巻
常識的な弟、どうかしてる兄、一線越えてるパン中を中心に話が回るギャグ漫画。
名作「行け!稲中卓球部」の作者が稲中の次に描いた作品であり、ギャグも稲中よりキレているが、キレ過ぎてレーティングが高いためか知名度が非常に低い。
中学生以下のお子さんが読んでいたら手荒な手段に訴えてでも止めたい作品。
ただそれくらいの年でこれを読んでがっつり笑っている子はたぶんすごく賢い。
グリーンヒル

全3巻
「僕といっしょ」の次に同作者が描いたギャグ漫画。
バイクチームに所属するダメな大学生とどうしようもない大人のお話。
「僕といっしょ」よりも破滅的なテイストが薄められ、わりと全年齢対象になった。
「”めんどくさい”がなければ人類はもっと進歩していた」的なセリフが大人になるほど刺さる。
秋津

全2巻
倫理観の崩壊した漫画家の父と、それに翻弄される息子の父子家庭ストーリー。
「僕といっしょ」「グリーンヒル」と異なりギリギリ現実に寄り添った内容と、登場人物の表情や間の取り方で、大笑いよりも苦笑いを誘うギャグ漫画。
ジャンル的にはギャグ漫画に該当し、登場するだめな人物たちのだめさは間違いなくギャグ漫画なものの、作品全体としては父子の温かい物語で、読み終わったあとはほっこりした気持ちになる。
ピンポン

全5巻
慢心から才能を無駄にしつつあったり不器用過ぎたり努力と才能の狭間で煩悶していたり圧倒的ゆえの重圧に潰れかけていたり自らの存在意義を問うていたりと、
主要登場人物全員がなにがしか内面的な問題を抱えた状態で物語がスタートし、物語の展開と共にそれぞれの問題を乗り越えたり折り合いをつけたりと成長していく、
卓球を舞台にした高校生たちの成長物語。
一定のテンションでリズムよく話が進む、センス溢れる名作。
アドルフに告ぐ

全5巻
「アドルフ・ヒトラーはユダヤ人の血を引いている」というスキャンダルを軸に展開するサスペンス。
古い作品のため、昨今のイラストや漫画などの絵柄に慣れていると読み始めに抵抗があるものの、漫画の神作品の中でもとりわけ緻密な物語に「絵柄に慣れる」というより「絵柄が気にならなくなる」。
「所詮漫画なんて子供の読むものでしょ」という方にこそぜひ読んでいただきたい作品。