東京は杉並区浜田山…
そのどこかに、枯れかけた雑草のような秘密倶楽部があるという…
そのどこかに、枯れかけた雑草のような秘密倶楽部があるという…
汚食倶楽部
第四回
ティッシュの天ぷら
第四回
ティッシュの天ぷら
「大将!!また来ちゃったよ!!」
「今日は何を食べさせてくれるのかな?」
「今日もいいネタ入ってますよ!!」
パッと見は非常によいなにか
「大将これは…?」
「ティッシュをオリーブオイルで天ぷらにしたものです。」
かぶりついた瞬間に感じられるさっくりとした歯ごたえ、具材のやわらかさ。
オリーブオイル、衣、そして何より素材そのものの甘み。
「あれ?意外とウマい?」という動揺。
がしかし噛むにつれ水分を吸って固くなって行くことで訪れる「あ、これは違う」という気付き。
当初は「甘み」として感じていた素材の味が徐々になんだか懐かしいティッシュの味に変わり。
噛むほど固まる固さそして妙に科学的な味が相まって「いつ飲み込むのか?」という疑問が頭をもたげる。
これはいいのか、飲み込んでもいいのか?でも飲み込まなくてどうする?皿に出す?いや食べ物で遊んじゃだめだろ、違う、これは食べ物じゃない!!ティッシュ!!そうこれはティッシュだ!!天ぷらにしてもティッシュはティッシュ。「ティッシュは意外とうまい」「外国人が日本に来て『駅前で食べ物を無料で配ってるのがすごい』とか言うからなんのことかと思ったらティッシュのことでした」——————あきらかになるメディアによる嘘—————
そのような大混乱を経てなんとなく一気に飲み込み、そして訪れる「これカラダ的に大丈夫なのか…?」といううっすらとした恐怖。
そしてこの流れを考えた当初からずっと胃の底にへばりつく、「この箸にも棒にもかからない冗談のためだけに使って捨てるオリーブオイルのコストがすげー無駄」という社長的に株主(友人)に感じるうしろめたさ。
「まあやっぱりナシだよね。」
「それはそうでしょうね。」
ではまた次回!!
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