〜世界の食卓から〜
第二回
かつおの塩辛
第二回
かつおの塩辛
よく『この地域ではこんなもの食べるらしい』と話題になるものの、実際には人生に一回食べるか食べないかで過ぎ去って行く様々な食材をご紹介する、月曜ひまつぶログ「世界の食卓から」。
第二回は日本・鹿児島の食卓から、「かつおの塩辛」のご紹介です。
内臓内臓したビジュアル
カツオの塩辛を構成する主な要素はカツオの内臓・塩・以上。
ものすごく塩っ辛く、そしてものすごく生臭い。
海鮮系珍味界のトップを独走し他の追随を許さない味わいです。
文頭で「鹿児島の食卓から」と書きましたが、カツオがとれる地域(鹿児島、高知、和歌山など)であればわりにどこでも見かける事ができます。
それはおそらく、
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「ガハハハハハハっ!!今年の年貢はどうした!!」
「やめてくんなせえ庄屋どん!!今年は日照りが続いて田が乾き、納めるほどの米がとれてねえんだ!!」
「うるせえ!!米を納められないならおめえんとこの倅がとって来たカツオを納めろ!!」
「はっ!!なぜ倅がカツオを釣って来ていると知っているだ!!
「米がねえというのにおめえたちが痩せていく様子もねえから、ちょっと隣の田吾作を痛めつけてやったのさ!!あの野郎、なかなか吐きやがらねえから……」
「あんた!!田吾作を!!田吾作をどこへやっただ!!ちくしょう…ちくしょう!!」
「うるせえ!!いいからさっさとカツオをよこしな!!鰹節にして堺へ帰る北前船にのっけてやれば少しは米の代わりになるだろうよ!!」
「そったらこと言っただて、このカツオを取られたらおら達は何を食っていけばいいだ!!」
「ぐぇっへっへっへ!!そんなことは知った事かよ!!身はもらっていく!!残った内臓でもすすればよかろう!!」
「あんた鬼か!!あ、やめてけれ!!塩壺にカツオの内臓を放り込むなんて!!やめて!!やめてけれ!!!」
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という悲劇が各カツオの産地で同時多発的に発生。
庄屋によって塩壺にぶち込まれたカツオの内臓を与作たちが泣く泣く食べてみたところ、思わぬ旨味が出、カツオの内臓を塩壺にぶち込んだものはその土地土地の名産品に。
与作達は堺へ帰る北前船を相手に密貿易を始め、そこで手にした現金で武器を購入。
無事に一揆を成功させて庄屋を打ち倒し、末永く幸せにくらしたとさ……。
こういった説話で毎度気になるのは、どさくさにまぎれて行方がわからないままの田吾作の存在です。
実は田吾作は海に捨てられており、たまたま日本近海に来ていた捕鯨船に拾われて渡米。
その後……、という壮大なストーリーがあるのですが、本筋はカツオの塩辛なので今回は割愛させていただきます。
こちらのカツオの塩辛は、前回のイナゴの佃煮よりも一般受けがよろしかろうと思い少し多めに仕入れてありますので、今週のみならず今後ちょくちょくメニュー入りさせていきます。
生臭い系珍味(イカの塩辛、このわたなど)がお好きな方は間違いなくドンピシャ来る味ですので、少しでも気になられたらぜひ一度お試しください。
ではまた今回も、東京都は立川出身のシティボーイ・チャンこと貴浩が珍味にチャレンジする様子をお送りしておきたいと思います。
茶番を続けられないほど珍味としての味が濃い
ではまた次回!!
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