設計士さんに一次加工場の建設を試算してもらうに当たって、何がうまくいかなかったかといえば、普通に建築コストが会いませんでした。

建物を建てるだけで2,000万円弱かかる。

中に入れる作業台や冷蔵庫などの各種設備を考えると、建物自体にかかる費用はせめて1,000万までには押さえたい。


施設の建設においては「広さ」と「高さ」がモロに金額になって出てくるため、建設コストをどうにかなるラインまで削ろうとすると、昨日添付した画像の施設からその両面を削れるところまで削り、よりコンパクトな施設に作り変えなければなりません。

「広さ」については、仮設計した施設は動線にかなりの余裕を持たせてあったものをカリカリに削ればかなり削れる。

が、「高さ」がネックとなるのです。


鹿の剥皮のためには施設の高さが重要になります。

赤い色素多めな動画をアップすれば一発でご理解いただけるのですが、それはやめておくとして、高さがあれば鹿の皮は結構簡単に剥げます。

しかし施設の高さを削るとなると、高さを活かした剥皮方法以外の、しかしそれと同列に簡便な剥皮の方法を見つけなければならないのです。


そこで私は考えました。

「ピーラーを作ろう。」

と。



もちろん失敗しています。

うまく稼働すれば特許モノだった
(うまくいかなかったから公開しても大丈夫)


豚や牛の皮を剥ぐための機械こと「スキンナー」というものが世の中には存在し、上の写真のものはその機能を小型化したはずのものです。

車輪を使って皮を引っ張り、引っ張られた皮と肉の境目に一定の角度で刃を当て、皮を削いでいくことで楽々と皮が剥げる、という理屈のものでしたが、先に述べたように失敗。

皮と肉の間にあるねっとりと柔らかい膜が想定以上によく伸びる材質だったため、刃を当てても切れてくれずに刃にへばりつくばかりで、切断力ががっつり落ちて肉から皮を剥ぐなど夢の世界。

イノシシの皮は鹿よりもはるかに剥皮に手間がかかるため、

「これが鹿でうまくいったら今度はイノシシで実験しよう。うまくいけばイノシシの剥皮にかかる人件費が圧縮できる」

という想像もまた夢の世界。
鹿の皮も剥げないマシンではイノシシなど全く手に負えないのです。


剥皮の手間を簡便にできる方法が無い。

ということは、一次加工所の高さが下げられず、建設コストも下がらない。

建設コストが下がらないことには、一次加工所が事業として成り立たないため、これまで考えてきたジビエ事業全体の方針が間違っている、ということになる…。



長々と六日に渡って説明してきましたが、以上が今のところ行き止まっているジビエ道となります。

弊店で提供されている信州産鹿肉は、この剥皮機の実験をするために一頭買いしたもの。



まあぜんぜん諦めてはおらず、すでに次の手段を思いついてはいるのですが、同じくジビエビジネスの研究をしている人の役に立ちそうな情報はこれくらいです。

行き止まったところからさらに工夫すれば突破できそうな壁もありますし、参考にしていただければ幸いです。

それらの壁を突破でき、安価でジビエを提供してくれる業者が現れれば、「ジビエ料理を店の目玉にしたい」という私の目標は達成できるので、達成できたらまずご連絡ください。

「ハマヤマで安いジビエメニュー出すために、安いジビエの卸業者を自分で作るところから始めなきゃ」というハードルが消えて本当に助かります。


またハマヤマのお客様におかれましては、次の手段を研究する過程で居酒屋で提供できるメニューがズンドコ生産される予定なので、ご来店の際にぜひお召し上がりください。




ジビエ事業、形にしたいな!!

ということでひとつ。

またご連絡差し上げます。



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