一昨日の日曜日から本格的にジビエこと鹿肉のメンチカツ・餃子・ハンバーグをご提供し始めたので、ぜひお客さんにお召し上がりいただきたい、ということですが、そのための最大のハードルは多分

「ジビエは臭い」

というところではないかと思います。

誤解です。

臭いと言われ続けている

昔から言われる「鹿やら猪やらは臭い」というアレは、解体手順がきちんとしておらず、山中で罠にかかって衰弱死した鹿や猪を解体して食べたりしていたため。

衰弱死の場合、死にゆくストレスによって肉の味が落ちるのはもちろん、絶命から発見・解体までに時間が経ちすぎるため、内臓の内容物が腐りまくって腐臭を放ち、それが肉に移った結果肉まで臭くなる、ということなのです。

あと車に撥ねられて死んだ鹿の肉なども同じ理由で臭くなっているはずです。
猟銃によってとどめをさされたものであっても、とどめから解体までの時間や温度管理が適切ではなかったため臭くて食べられなかった、ということもあります。

が、最近のジビエは、きちんとした加工所であればほぼ間違いなく「とどめをさしてから長くても2時間半以内に内臓を抜く」というルールを定め、温度管理も徹底し、野生の獣を扱う特性上、衛生管理も下手したら畜産動物の加工場より徹底しているため、かつてジビエにあったヤバい臭いは全くしなくなっています。


ただ、雑穀で育てられる畜産牛や豚と違い、鹿は草木を食べて育つため、葉緑素が分解されてできる「フィトール」という物質の草っぽい香りは残っています。

鹿肉の味に近しいところを言えば、ラム肉の味に近い味です。

ですが、フィトールは脂肪に蓄積されるので、野生の厳しい環境で生きてきた鹿肉はラムやマトンより脂が少なく、結果フィトールのクセもマイルド。

がっつり赤身のオージービーフとラム肉の中間くらいの味をご想像していただければほぼ間違いないと思います。

加工所によっては「ある程度臭さがないと消費者がジビエと認めてくれず売れにくいので、あえて内臓を少し発酵させてから捌き始める」と言っていたところもありましたが、それもおかしな話ゆえ、ハマヤマの鹿メニューは普通に鮮度抜群な鹿肉を使っています。


まとめて言えば、「鹿肉は臭い」は誤解であり、鹿肉本来の味わいとは「草の香りと赤身の肉々しい味、そして野生動物ならではのしっかりした歯ごたえ」ということです。

メンチカツと餃子は一緒に入っているキャベツやニラなど野菜の影響でかなり草の香りが抑えられているので、そのクセが苦手な方にもオススメ。
一方ハンバーグはあえてクセを残すため、臭み消しになりうるニンニクや生姜も一切入れず、鹿肉と玉ねぎだけで作っているので、あのクセがお好きな方にオススメです。
ハマヤマでの調理においてもニンニクは使わず塩胡椒のみで味付けし、それでしっかりと美味しい。

オススメですので、ご来店の際にはぜひ。
草っぽい匂いへの慣れでメンチ・餃子・ハンバーグをチョイスしていただければ幸いです。


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