裏口のドアは何か大きなものに当たって開き切らず、その大きなものはかがみ込んだ若いホームレスで、ホームレスは物陰で割り箸を燃やしていた。

割り箸の燃えカス
ドアが当たって立ち上がった若いホームレスは「すみませんすみません」と繰り返し、僕は「お前何やってんの?」と聞く。
「ホームレスなんですけど、お金が無いからコンビニ入れなくて、何か買わないとゴミ箱使えないじゃないですか。
道端に捨てるのもダメなんで、燃やそうと思って割り箸燃やしてました。」
見ると若いホームレスがかがみ込んでいたあたりで、確かに割り箸くらいの細さ・長さのものが、割り箸らしく2本燻っている。
「お前『道端に捨てたらダメ』でここ入ってきて燃やして、この建物燃えたらどうすんの?
明らかにそっちの方がダメだろ、順位付けがおかしい。」
若いホームレスは目線の高さから見ておそらく身長180cmくらい、また顔立ちから見て年齢は24,5歳くらいに思えた。
「別にお前がホームレスなのは生き様だから構わねえけど、それに他の人間を巻き込むなよ。
どう生きようが勝手にせよちゃんと考えろ。」
僕こと説教おじさんは説教を垂れ散らかす。
若いホームレスは「すみません、すみません」と謝り続ける。
「すみません、ゴミ、集めてすぐ出てきますから」
若いホームレスは持っていた大きな黒いナイロンバッグから、何かの包装袋を取り出し、かがんでそれへ割り箸の燃えカスを集め、立ち上がってまた「すみません」と謝った。
「想像しろよ、建物燃やすのが本意じゃなかったんだろ?
根は優しいんだろうけど、頭使わなかったら意味ねえぞ」
そう言われた若いホームレスは小さく頭を下げ、のっそりと道路へ歩き出していった。
という出来事がありましたが、皆様におかれましては説教、垂れられていらっしゃいますでしょうか。
彼の話の何が怖かったかと言えば、「ゴミ出しのルール」という、おそらくは彼として目に触れる頻度が高いルールが、「人の家の裏でモノを燃やしたら火事になるかもしれないからダメ」という、より根本的ゆえに誰も注意書きなんてしないルール、というか法律、の上位に来ていたことだ。
ルールの記憶が体系だったフォルダ分けになっておらず、ファイル名の頭に日付を入れて一つのフォルダに全て放り込まれている。
ゆえにそれらのルールが防ごうとしている事態の大小に関係なく、認識・保存した数が多いルール、あるいは手前の日付にあるルール、が優先されて状況に適用される。
黒いナイロンバッグから取り出した何かの包装袋は燃やしていなかったことから「可燃・不燃」もきちんと認識できているっぽかった。包装袋はビニール製だったので不燃にカウントされているのだろう。
でもそもそも「火事になるかもしれないから燃やしちゃだめ」は認識できない、なぜならそのルールとは接触の機会が少なく、彼の中での優先順位が低いから。
その後念のため警察に連絡、大家さんにも情報を共有し、「ホームレスなんで多分もうどこかへ行ってしまって同じことはないと思いますけど、裏手の防犯をちょっと考えましょうか」という話になった。
そして僕と僕の話を聞いた長老植田は「あいつかわいそうだな」で意見の一致をみた。
全然普通に放火魔の放火損ないだった可能性もあるがしかし、会話の一貫した一貫しなさからおそらくは放火魔ではなく、ただ幸せに生きるのが大変な子なのだろう、と思った。
という話を、気軽に見にきた「飲み屋の日替わりメニューブログ」で読まされる気持ちはどんな気持ちだい!!
今日も元気してるかい!!
として、ご来店の際には【レバニラ炒め 780】をぜひ!!
気温・気候の急変度で疲れた体にレバーのビタミンなんとかか効くかもしれないぜ!!
よろしくお願いいたします!!

0件のコメント